プロダクトマネジメントをしていると、新しい機能を追加したくなるものです。「ユーザーのニーズに応えたい」「競合との差別化を図りたい」と考え、多機能化が進んでしまいます。
しかし、機能が増えすぎるとプロダクトは複雑化します。
陥りがちなプロダクトの複雑化の例
- 多すぎるサブスクリプションプランやポイントサービス
選択肢を増やしすぎると、ユーザーは「どれが最適か分からない」と混乱。
→ ポイントのルールが複雑で「お得なのか不明」、結果的に利用をやめてしまう。
- 過剰なゲーミフィケーション
学習アプリで「レベル」「バッジ」「クエスト」などが多すぎて、本来の目的(学習)がブレる。
→「ゲームみたいで面白いけど、本当に学習できているのか分からない」
- カメラアプリ等の過剰な編集機能
「美肌補正」「目の大きさ調整」など機能が豊富すぎて、何をどう調整すればいいのか分からない。
→「面倒なので結局デフォルトのまま」→ 機能疲れで離脱。
機能が多すぎると、ユーザーは使い方を理解するのに困ってしまいます。 特に似たような機能が多い場合、「この機能はどんなときに使うのか?」「どの設定が最適なのか?」といった疑問が増え、ユーザーの負担となります。 その結果、「面倒だから使うのをやめよう」となり、最悪の場合、プロダクトから離脱してしまいます。
サブスクリプション型サービスでは特に注意
サブスクリプションモデルのプロダクトでは、ユーザーの離脱は直接的な収益減少につながります。 いくら短期的なKPIが良くても、長期的に見ればユーザーが離れてしまっては意味がありません。
ユーザーが求めるのは機能ではなく価値
そもそも、なぜユーザーはプロダクトを利用し、お金を払うのでしょうか? それは、プロダクトがユーザーの課題を解決したり、欲求を満たすからです。 機能を増やすことが目的化してしまうと、肝心のユーザー体験が犠牲になってしまいます。
本質的な改善にフォーカスしよう
目先のKPI指標を追いかけるあまり、本質的な改善ができていないのであれば、一度立ち止まって見直しましょう。 機能を増やすのではなく、ユーザー体験の改善にフォーカスすること。
それこそが、プロダクトの持続的な成長につながるのです。