SaaSモデルのプロダクトを運営していると、誰もが一度は直面するのが「収益性をどう上げるか?」という問いです。
もちろん、よいプロダクトを作ることは大前提。しかし、実際には「どの部分がうまくいっていて、どこがボトルネックになっているのか?」を見極めることが、収益化への近道です。
そのために役立つフレームワークが、海賊指標(AARRR)です。
海賊指標(AARRR)とは?
海賊指標とは、SaaSモデルのプロダクトがユーザーを獲得し、収益に至るまでの5つのステップを示したモデルです。
この指標を使うことで、「どこに課題があるのか?」を可視化でき、改善の糸口をつかむことができます。
AARRRの5つのステップ
- アクイジション(ユーザー獲得):ユーザーがプロダクトを見つける段階。
- アクティベーション(利用開始):新規ユーザーが「このプロダクト、いいかも」と感じる最初の体験。
- リテンション(利用継続):ユーザーが継続的にプロダクトを使ってくれるかどうか。
- リファラル(紹介):満足したユーザーが他の人にプロダクトを紹介する段階。
- レベニュー(収益):ユーザーがお金を支払ってくれる段階。
どこがボトルネック?AARRRで見極めよう
収益化を目指すには、この5つのうちどこに課題があるのかを見極めることが重要です。 たとえば、たくさんのユーザーが登録してくれても、継続して使ってくれなければ収益にはつながりません。逆に、リテンションが高いのに収益が出ていない場合、マネタイズ戦略に課題があるかもしれません。
各フェーズでよく使われるKPI(計測指標)
アクイジション(ユーザー獲得)
- サイト訪問数
- 広告クリック率(CTR)
- 無料会員登録数
- 検索キーワードからの流入(SEO)
アクティベーション(利用開始)
- 無料トライアル登録率
- 初回ログイン完了率
- チュートリアル突破率
- 特定機能の初回利用率
- 滞在時間(セッションの長さ)
リテンション(利用継続)
- 継続ログイン率
- 機能の定期利用率
- サブスクリプションの更新率
- メールマガジンの開封率
リファラル(紹介)
- 招待コードの使用率
- 口コミ投稿件数
- SNSシェア数
- 紹介経由の新規登録数
レベニュー(収益)
- ARPU(ユーザーあたりの平均収益)
- ARPPU(課金ユーザーあたりの平均収益)
- LTV(顧客生涯価値)
- 有料プランへのコンバージョン率
まとめ:数字を見ると、道が見える
プロダクトの収益性は、単に「売れそうな機能を追加する」ことでは向上しません。
海賊指標(AARRR)をもとに、自分たちのプロダクトがどのステージでつまずいているかを明確にすることが、最も効果的な改善への第一歩です。
もしプロダクトの成長が鈍化していると感じたら、ぜひ一度この5つの指標をチェックしてみてください。