プロダクトマネジメントでは、プロダクトの改善案や新機能を考え、それに優先度をつけ、プロダクトチームで開発を進めます。しかし、どのような新機能が必要で、優先度をどのように決めればよいのでしょうか?
プロダクト戦略がなければ、改善策や優先度の判断が個々人でバラバラになり、重要なことにリソースを集中させることができません。そこで、プロダクト戦略の重要性とその作り方について解説します。
プロダクト戦略とは?
プロダクト戦略は、企業の戦略とプロダクトの目標を結びつけ、プロダクトの改善の方向性を示すものです。以下の3つの要素を満たすことが重要です。
1. プロダクトの改善の方向性を示す
適度な抽象度を持ち、具体的な改善策については柔軟に選択できるようにする。具体的な機能開発の計画ではなく、プロダクトが目指すべき方向を示すもの。
2. 達成すべきゴールと期間を明確にする
成果を定め、アウトプット(機能のリリース)ではなく、ビジネスやユーザーにとっての価値にフォーカスする。達成すべき目標が測定可能であり、期限が明確になっていることが重要。
3. 企業の戦略との整合性を持つ
プロダクトの改善が、企業全体の戦略および目標達成につながるようにする。企業戦略 → プロダクト戦略 → 具体的な改善案という流れで整合性を持たせる。
プロダクト戦略の良い例と悪い例
悪い例
ユーザーにパーソナライズしたプレイリスト機能をリリースする
新しいサブスクリプションプランをリリースする
ログインボーナス機能をリリースする
これらの例では、機能のリリースというアウトプットにフォーカスしており、それがビジネスやユーザーにどのような価値をもたらすのかが明確になっていません。
良い例
ユーザーのプレイリストの再生数を第3四半期中に20%向上する
ユーザーのサブスクリプションプランの契約率を年内に15%向上する
ユーザーの登録から1ヶ月後の継続率を6月末までに20%向上する
これらの例では、成果(ビジネスやユーザーの価値)が明確で、測定可能なゴールが設定されており、期間も明示されています。
まとめ
プロダクト戦略は、単なる機能開発の計画ではなく、ビジネスやユーザーの価値を最大化するための指針です。成果にフォーカスし、企業戦略と整合性を取りながら、適切なプロダクト戦略を立てましょう。