プロダクトが継続的にユーザーに使われるためには、ユーザーの課題を解決しなければなりません。どれほど優れた技術を駆使していても、ユーザーのニーズを満たしていなければ、そのプロダクトは長続きしないでしょう。
したがって、プロダクトの作り手は、ユーザーの課題をしっかり理解し、それを解決するためのソリューションをプロダクトに落とし込む必要があります。本記事では、「ユーザーの課題を理解する」というテーマについて掘り下げていきます。
車を買う人々の課題とは?
ユーザーの課題を特定するためには、「何に困っているのか」「なぜそのプロダクトを求めるのか」を理解することが重要です。例えば、車を購入する人々の課題を考えてみましょう。
以下のような課題が考えられます。
- 職場に車で通いたい → 毎日使うので燃費が大事、小さい車で十分
- 週末にスーパーで食材を買い溜めしたい → ある程度のトランクの大きさ、家族が乗れるサイズが必要
- 高級車に乗って周りの人から良く見られたい → ブランド力や認知度が重要
このように、同じ「車を買う」という行為でも、ユーザーごとに異なる課題があることがわかります。
課題を理解することで見える競合の変化
課題を理解すると、競合の考え方も変わってきます。
- 職場に車で通いたい人にとって、「職場の送迎バス」があれば、車を購入する必要がなくなるかもしれません。
- スーパーで食材を買い溜めする人にとって、「ネットスーパー」が理想のソリューションになる可能性があります。
- 高級車に乗ってステータスを示したい人にとって、「ロレックスの時計」も同じ目的を果たす選択肢となるでしょう。
このように、ユーザーの課題を深掘りすることで、幅広い競合の存在に気付くことができます。
課題を理解するための3つの側面
ユーザーの課題を理解するときは、以下の3つの側面から考えることが重要です。
1. 機能面
ユーザーが抱えている機能的な課題を指します。
例:スマートフォンの場合
いつでもどこでも子どもの成長をカメラで収めたい。
2. 感情面
ユーザーがプロダクトを所有することで得られる感情的な満足感を指します。
例:iPhoneの魅力
Apple製品の高級感、所有することの満足感の高さ。他社スマホとさほど機能は変わらないのに、多くの人々がとても高価なiPhoneを買う理由は、感情的な価値にある。
3. 社会的側面
ユーザーがプロダクトを所有することで、社会的にどのように見られたいかという側面です。
例:Apple製品のブランド価値
Apple製品を持つことで、「ミニマリストでオシャレな人」と見られたいと考える人もいる。
まとめ
ユーザーがどのような課題を抱え、なぜそのプロダクトを利用するのかを深く理解することが重要です。ただ課題をリストアップするだけでなく、それをストーリーとして語れるレベルまで掘り下げることで、より的確なソリューションを提供できるようになります。
プロダクト作りにおいて、表面的なニーズではなく、ユーザーの本質的な課題にフォーカスすることが成功の鍵となるでしょう。